Gemini「予約アクション」による日本株自動レポート機能実装方法と信頼性を高める方法

AI・自動化・プログラミング

仕事が終わって一息つく時間、わざわざ自分から株価アプリを開かなくても、Geminiが「今日の成績はこうでしたよ!」とLINE感覚でレポートしてくれたら最高だと思いませんか?しかも正確なデータで。

巷で紹介されている多くの自動化方法は、サイトの更新ラグや一時的な誤数値を拾うリスクを抱えているように見えます。

今回は、Geminiの予約アクションを使って、日本株の自動レポートを作る方法を解説します。特に、データの正確性にこだわって「夜18時」に設定する理由や、失敗しないコツを僕の体験ベースで共有しますね。

1. AIに何ができる?自動レポートのイメージ

例えば、Gemini の画面で「毎日18時に、NIDEC(6594) の株価をチェックして、私の取得単価から計算した損益率を報告して。取得単価は 2,015円です。」と頼むと、AIがネット上の最新データを拾って以下のような表を作ってくれます。これだけでも便利です。

銘柄名取得単価現在値損益率 (%)
NIDEC(6594)2,015円2,460円+22.08%

さらにこれを「これを予約アクションと毎日平日18時に設定して。」と依頼するだけで毎日18時に自動的にレポートが通知されるようになります。さらに便利です。

2. 【失敗談】AIは「もっともらしい嘘」をつくことがある

便利なAIですが、実は弱点もあります。僕が実際に運用を始めた際、AIが「前日の終値」や「PTS(夜間取引)の不安定な数値」を、本日の終値として報告してしまうというミスが発生しました。

AIは「何か答えなければ」というサービス精神が強すぎて、正確なデータが見つからない時に、似たような数字を推測で埋めてしまうことがあるのです。これを専門用語でハルシネーションと言います。

もう少し補足すると、ハルシネーションとは「学習データに基づき、確率的に高いと思われる言葉を繋ぎ合わせた結果、事実とは異なる情報を生成してしまう現象」と言えると思います。

お金が関わる投資レポートで、これは致命的ですよね。
AIを使う際には常にこのハルシネーションに注意しなければなりません。

3. 仕様・要件定義

本システムは、単なる情報収集ツールではなく、「翌日の寄付きまでに意思決定を終えるための信頼できるエビデンス」の提供を目的としています。

  • 完全自動実行: 毎日18時にGeminiが自律的にブラウジングを開始。
  • 確実なデータ取得: 取得先URL を指定した確実なデータ取得。
  • データ整合性チェック: 複数ソース(Yahoo!, 株探, 日本経済新聞)の多数決による数値確定。
  • 損益の可視化: 取得単価との比較による含み損益の自動計算。
  • 文脈の抽出: 終値だけでなく、大引け後に出尽くした適時開示情報(IR)やニュースの要約。

4. 実装のコツ:余裕を持った時間帯に取得

当初は大引けとなる15時から1時間余裕をもって16時に予約アクションを実行させていましたが、Yahooの速報値やPTS混じりの値が混在し、損益計算の数値が狂ってしまう事態が何度か発生しました。

データの正確性を担保するには、実行時間は18:00を推奨します。その論理的根拠は以下の通りです。

サイト別・確報反映のタイムライン

サイト更新の様子
Yahoo!ファイナンス16:00 〜 17:00頃に確定値が表示されます。
多くのユーザーが参照するため、15:30直後はアクセス集中で表示が不安定になることがあります。
株探反映は早い。15:30過ぎには「速報」として終値が表示されます。
日本経済新聞16:00 〜 16:30頃
15時台は概算や速報の場合があり、大引け後のサプライズ発表も含めて夕方にデータが精査され確定します。

各社ともデータ更新直後はアクセスが集中し、(Geminiが)スクレイピングに失敗する確率が上がるので、少し時間を空けた「18:00」に起動するようにしています。

僕のようなシステムトレードを行っている人間はそれほど急いで引け値の値を取得する必要性もないため、この時間で十分です。


5. 実装のコツ:多数決判定

Geminiはすごく優秀ですが、たまにサイトの広告を株価だと勘違いしちゃうようなお茶目な一面もあります。 なので、プロンプトには「多数決(マジョリティ・ボート)」の仕組みを入れ、「データクレンジング」を行い、「整合性チェック(バリデーション)」を取るのがオススメです。

プロンプトのイメージ: 「Yahoo!ファイナンスと株探の両方を見ること。もし数字が違ったら、日本経済新聞のサイトも確認して、多数決で多い方の数字を採用すること」

こう伝えておくだけで、レポートの信頼性がグンと上がります。

6. 実装のコツ:ハルシネーションの防止

これが最も重要です。「データが不確実なら、嘘をつかずに『取得不可』と報告せよ」と指示することで、誤情報の混入を防ぎます。

7. 実際の指示文

【指示文(プロンプト)】
あなたはプロの証券アナリストとして、以下の手順で「〇〇(XXXX)の損益レポートを作成してください。取得単価は以下の通りです。

 取得単価: YYYY円

1. データ取得(3ソース照合)
以下の3つのURLに直接アクセスし、本日(実行日)の「終値」を取得してください。
・Yahoo!ファイナンス: https://finance.yahoo.co.jp/quote/XXXX.T
・株探 (Kabutan): https://kabutan.jp/stock/?code=XXXX
・日本経済新聞: https://www.nikkei.com/nkd/company/?scode=XXXX

2. データの整合性チェック(厳守)
取得した数値が「実行当日の日付」のものであることを必ず確認してください。
3つのサイトの数値が一致していることを確認してください。
もしサイト間で数値に齟齬がある場合は、多数決で数値を決定してください。

3サイトすべてでデータが取得できない、または極端な不一致(例:10%以上の差)がある場合は、推測で回答せず「信頼できるデータが取得できませんでした」と理由を添えて報告を終了してください。

3. 損益計算
確定した終値を用い、以下の条件で損益率を計算してください。
計算式: {(終値 - 取得単価) / 取得単価} * 100

4. レポート形式
以下の項目を表形式で出力してください。
報告日:(△月△日 終値)
銘柄名:銘柄名(証券コード)
 終値:(円)
前日比:(円・%)
損益率:(%)※小数点第2位まで
正確性:照合ステータスを出力(例:3サイト一致、または ◯◯サイトと△△サイトの多数決を採用、など)
関連ニュース:この銘柄に関連する最新ニュースを出力してください。

※URLなどはそれぞれのサイトの仕様更に伴って変化する可能性があるので注意するとともに、適宜URLの動作確認をして、最新のURLに更新してください。

8. 実際に運用してみた結果(エビデンス)

僕が1週間、18時設定で回してみた時の体感です。

  • データの正確さ: ほぼ100%!前日の終値を拾うようなミスはなくなりました。
  • ニュースの充実度: 17時ごろに出たIR情報もしっかり網羅してくれます。
  • 安心感: 「18時になれば届く」というリズムができるので、ザラ場(取引時間中)に一喜一憂しなくなりました。

9. 実際の出力

実際にこんな感じでレポートが出力されます。なかなか使えるレポートだと思いませんか?
ちなみに僕は実際にニデック株を所有しているわけではないことは申し上げておきます。

10. 指示内容を確認、書き換えるには

ジェミニの画面の左下にある「設定とヘルプ」から「予約アクション」を選択します。

すると下記のような予約アクションがあるはずなのでこれをクリックして編集します。

編集というと、現在設定されている内容を書き換えるように思われるかもしれませんが、ジェミニの場合、書き換えるのではなく、さらに指示を与えることで内容を書き換えていきます。場合によっては、新しい指示文を丸ごと与えてもいいでしょう。

それでは楽しい投資ライフを!

コメント

タイトルとURLをコピーしました