将来のために資産を増やしたいと考えても、日々の生活で手一杯では一歩も前に進めません。投資を始める前に最も重要なのは、運用先を選ぶことではなく、投資に回せるお金を確実に作り出す仕組みを整えることです。
今回は無理な我慢をせずに毎月数万円程度の投資余力を作り出す具体的なプロセスについてまとめてみました。
1. 一度の手間で効果が続く項目から着手する
節約において、日々の食費を数百円削るような努力が必要なものは、毎日の継続した取り組みが必要になるので後回しにします。まずは、一度見直せばその後の支出が自動的に減り続ける固定費に集中してください。

通信費(スマートフォン・インターネット回線)
現在の契約プランが今の利用状況に見合っているかを確認します。例えば、大手キャリアのデータ無制限プラン(月額約8,000円)を契約しているものの、実際には月に1GBしか使っていないケースは多々あります。
これを格安SIM業者(Mineo, IIJMio, 日本通信など)の最適なプランへ切り替えるだけで、大幅な節約になります。
少し極端な例ですが、大手キャリアの無制限プラン(月額約7,000円〜8,000円台)を契約しているユーザーが日本通信の「合理的シングル290プラン(月額290円)」に切り替えれば月額 7,000円強(年間 85,000円)程度の節約になります。
普段、自宅のWi-Fi回線を使っていて、外出先でのデータ通信は1ヶ月あたり1GBも使っていないという方は実際多いはずです。携帯電話業者は、ドコモ、au、ソフトバンクぐらいしか知らないという方は、ぜひ、格安SIMを検討してみてください。格安SI強といっても回線はドコモやAU、ソフトバンク回線を使用しているので基本的な通信品質そのものは変わらないです。
では三大キャリアと格安SIMブランドの差はどこに現れるのでしょうか?
それは、「通信の混雑しやすさ」「店舗サポート」「キャリアメール・付帯サービス」の3点です。
「通信の混雑しやすさ」は、通信が混雑しやすい昼休み(12-13時)や通勤・夜間(19-23時)に現れるとされます。この時間にどうしても通信が遅くなるのが嫌だという方は、そうでない方は積極的に格安SIMを使った方が良いでしょう。
「店舗サービス」に関しては今時ネットで完結もできるものが多いので特段必要ないはずですし、「キャリアメール」もGmailなどをメインで活用している人は不要でしょう。
自宅のインターネット回線
自宅のインターネット回線についても、スマートフォンとのセット割が適用されているか、加入時に念のため付けたまま放置している月額500円程度のオプションがないかを確認してください。
利用頻度の低いサブスク
次に、利用頻度の低いサブスクリプション 月額1,000円の動画配信サービスや、月額制のスポーツジムの会費など、契約したまま活用できていないサービスを解約します。月に1回しか利用していないサービスであれば、都度払いの方が安く済む論理になりますし、スポーツジムに関しては市営ジムなら1回300円程度です。
Amazonプライムなど利用されている方も多いと思いますが「配送料の元が取れるほど利用しているか」「動画視聴の頻度は価格に見合っているか」を見直してみてはいかがでしょうか。Amazonプライムで送料無料なのは良いですが、実はプライムを解約して普通に送料を支払った方がトータルで安く買えていたということもあったりします。
2. 期待値の低い支出を排除する
お金を支払った結果として得られるリターン(見返り)が、統計的・論理的に極めて低いものを見直します。
宝くじやギャンブル
宝くじは、支払った金額に対して戻ってくる金額の平均(期待値)が約46%と定められています。つまり1万円投資すると4,600円返ってくる投資だと言えます。資産形成の観点からは非常に非効率な支出です。
確かに宝くじには夢がありますが、確率的には1等が当たる確率より交通事故にあって死亡する確率の方がはるかに高いのです。
宝くじで1等当選する確率:約2,000万分の1(0.000005%)
1年間に交通事故で死亡する確率:約4万5,000人に1人(0.002%)
※令和5年中の交通事故死者数と総人口より
習慣化した嗜好品
タバコや飲酒など単なる習慣として支払っている費用を可視化します。
例えば、1箱600円のタバコを毎日1箱吸う場合、月間で18,000円、年間で216,000円の支出となります。これを止めることは、強烈な支出削減効果を生むだけでなく、将来の医療費増加という予期せぬリスクを減らすことにも直結します。
もちろん、やめられたら苦労はしないよという方も多いのでしょうが、健康というのは人間にとって最も基本的な資産です。
3. 変動費は禁止ではなく優先順位で管理する
食費や趣味の費用を極端に切り詰めると、ストレスからリバウンドを招きます。我慢するのではなく、お金の使い道にメリハリをつけます。
ついで買い(ラテマネー)の抑制
コンビニでの毎日のコーヒーやペットボトル飲料など、無意識の支出を見直します。1日300円の支出でも、1ヶ月(30日)続けば9,000円になります。これをマイボトルに置き換えるなどの小さな仕組み化が効果的です。
満足度の高い支出に集中する
すべての外食を止める必要はありません。たくましいボディービルダーが週に一度チートデイを設けているように、月に1回の家族との外食(10,000円)は生活の質を保つために維持し、その代わり平日の惰性による外食ランチを週に2回お弁当に変えるなど、自分が本当に価値を感じるものに予算を集中させる考え方を持ちます。
まとめ:浮いたお金を投資専用として隔離する
これらのステップを実行することで、月額2万円から3万円の余力を生み出すことは十分に可能です。 ただし、支出を抑えて生まれた余力をそのまま生活費の口座に置いておくと、いつの間にか他の支払いに消えてしまいます。浮いた金額を明確に把握し、それを投資に回すための専用資金として別管理することが、資産形成を成功させる唯一の近道です。
例えば、住信SBIネット銀行は、自身の代表口座の下に目的別口座としてサブ口座を作ることができます。そこへ定期的に自動入金する「定額自動振替サービス」を組み合わせると、毎月一定の金額をサブ口座に自動的に振り込み、投資の原資を作り出すことができます。もちろん手数料無料です。
YouTubeなどで紹介されている、トイレの貯水タンクにペットボトルを埋めたりするような、自分自身を惨めにする切ない節約など労力の割にあまり効果はありません。必要なものを削るのではなく、不要なものを炙り出してそれを削減する。
まずは今月のスマートフォンの利用明細を確認することから始めてみましょう。


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